top of page

「ケ ン カ 十 段」「予告蹴り」

 学習院大学空手部主将をしながら大山道場で指導をした。

 

「空手バカ一代」世代には「ケンカ十段」と言えば「芦原英幸」を連想するだろうが、あれは梶原一騎氏の創作で、本当の「ケンカ十段」は安田英治先生のことである。因みに「予告」をしてから攻撃する「予告蹴り」等も安田英治先生が大山道場で実際に行っていたことである。

 

「スピード」、「パワー」、「スキル」等、全てにおいて他を圧倒していた。その技はまさに「青龍」の「咆哮」が如く「激しく」かつ「鋭い」のである。

 

 渡邊一久総師範曰く、「安田先輩の蹴りは「受け」を潰すほどの威力がある。ただ受けるだけでは身体ごと浮かされてしまう。必死になって「蹴り」が受けられるようになっても、「突き」「蹴り」と連続して「稲妻」のように飛んでくるから、「受け」が追い付かず、結局倒されてしまう。安田先輩には通常の「受け技」は通用しないのだ。私は何度も安田先輩に倒されながら、その「受け技」を生み出した。もっとも受けるだけで精一杯だから、倒されなくなっただけだがね」

 

※渡邊一久総師範は、この安田英治先生の連続技を「稲妻」と称し、とくに左前足による連続しての「蹴り技」を「稲妻蹴り」と表現された。師範曰く、「「閃光」が煌めくように速く。当たると「雷撃」で撃たれたような衝撃が体を貫いていく」そうである。

 

 安田英治先生は2013年にお亡くなりになられました。

 

 心より、ご冥福をお祈り致します。

bottom of page